【高校数学】条件付き確率が一発で理解できるたった1つの考え方

どうも受験数学SetUpです。
高校生の数学で確率を苦手にする人が多いです。

特に条件付き確率でお手上げという人が非常に多いです。

ですが、条件付き確率は全然難しくありません。たった1つのことを意識するだけで一気に理解が深まります。

今回はその解説をしていきますね。

確率は不確定な事象だけで考える

まず、これだけを頭に入れておいてください。

「確率は不確定な事象だけを考える」。

確率は\(\dfrac{(特定の事象)}{(全体の事象)}\)で表すことはすでに知っていますよね。

例えば「さいころを1回振って出た目が偶数である確率」を考えると、直感では\(\dfrac{1}{2}\)というのはわかりますが、細かく考えると、、

全体の事象:1-6の目が出る6通り
特定の事象:2,4,6の目が出る3通り
確率:\(\dfrac{3}{6} = \dfrac{1}{2}\)

ということになりますね。

少しだけ複雑な例を出しましょう。

「さいころを2回振って、2回とも偶数である確率を求めよ」

1回目で偶数が出る確率は先ほどの通り\(\dfrac{1}{2}\)ですね。
2回目でも条件は同じですから確率は\(\dfrac{1}{2}\)です。

なので2回連続で偶数が出る確率は
\(\dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{4}\)
となります。

これもなんとなくわかりますね。

では次の例を見てみましょう。

「さいころを1度振って出た目が偶数だった。次にさいころを振ったときに偶数である確率は?」

さっきの状況と同じだから答えは\(\dfrac{1}{4}\)

・・・と直感的に思えそうですが、これは間違いです。

答えは\(\dfrac{1}{2}\)です。

これはなぜかというと、最初に言った通り「確率は不確定な事象だけで考える」からです。

「最初に出た目が偶数だった」というのはもうすでに起こったことですよね。つまりこれは不確定な事象ではないので、今回求める確率には何ら関係がないのです。

結局「2回目で偶数が出る確率」を考えることは「さいころを一回振って偶数が出る確率」という最初に見た例題と同じなのです。

なので求める確率は\(\dfrac{1}{2}\)となります。

2つ目の例題は「まださいころを振ってない状態で2回連続偶数が出る確率」、つまり1回目も2回目も不確定な事象だったので先ほどのような計算んになったのです。

不確定なところだけで考える。これこそが確立の本質です。

そして今やった「確定していることを省く」というのがまさに条件付き確率です。

条件付き確率は一応式にするとこうでした。

\(P_{A}(B) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)}\)
言葉で書けば
\(Aが起こったときBが起こる確率 = \dfrac{A,Bがともに起こる確率}{Aが起こる確率}\)

試しに先ほどの3つ目の例を考えると、、
A: 1回目で偶数の目が出る
B: 2回目で偶数の目が出る
となり、

\(P_{A}(B) = \dfrac{1/2 \cdot 1/2}{1/2} = \dfrac{1}{2}\)
とやはり同じ結果になります。

公式を変形してみると、
\(P(A) \cdot P_{A}(B) = P(A \cap B)\)
これは「まずAが起きて、次にAが起きたうえでBが起こる確率を掛けたら、A,Bの両方が起こる確率になる」という意味で、当然のことを言っていますね。

公式のように考えるとわかりづらいですが、結局「確定要素は省き、不確定要素だけを考える」という確率の本質を言っているだけです。

どうですか?条件付き確率のモヤモヤが晴れませんか?

条件付確率の練習問題

ではこれを踏まえて、ひとつ例題をやってみます。

例題

袋の中に赤玉3つ、白玉2つが入っている。無造作に球を取る操作を行う。
(1) 一つ球を取り、球を戻さずにもう一つ球を取る。最初に赤玉を引き、次に白玉を引く確率を求めよ。
(2) 一つ目の玉が赤玉だった時、2つめの玉が白玉である確率を求めよ

まず、最初に赤玉を取る確率は\(\dfrac{3}{5}\)ですね。そして次に引くとき、球は4つしかないので、2つ目の玉が白玉である確率は\(\dfrac{2}{4} = \dfrac{1}{2}\)。

なので(1)は\(\dfrac{3}{5} \cdot \dfrac{1}{2} = \dfrac{3}{10}\)が答えです。

(2)はいわゆる条件付き確率です。しかし、すでに解説した通りに考えれば混乱することはないですね。
一回目で赤玉というのは「確定している」のでこの部分は確率に一切関係しないです。

そして赤玉をすでに引いているので、袋には赤玉2つ、白玉2つ、合計4つが残っています。
ですから求める確率は\(\dfrac{2}{4} = \dfrac{1}{2}\)となります。

簡単ですね。このように公式にように考えると混乱しがちですが、結局のところ確率の本質に従えば何の問題もないのです。

ということで、条件付き確率の解説でした。必ず復習して実践で使ってみましょう。

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